コラム
付帯部
基礎部分もメンテナンスは必要?基礎部分の塗装について
2021.07.04
建物の最下部にある基礎は、建物の重みを支える役割や地面の揺れから建物を守る役割を担う重要な部分です。
また、湿気やシロアリなど、建物を劣化させる原因から建物を守る役目も果たしています。
そんな大切な役割を担っている基礎ですが、実はメンテナンスを行った方が良いということをご存じでしょうか?
建物のメンテナンスといえば、外壁や屋根を真っ先に思い浮かべられるかもしれませんが、実は基礎部分にもこうしたメンテナンスが必要なのです。
しかし、基礎部分のメンテナンスと言われても、どのようにすればいいのか分からないという方が多いでしょう。
また、そもそも本当に基礎部分にメンテナンスが必要なのか、疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は基礎部分のメンテナンスについて詳しくご紹介させて頂きます。
基礎部分のメンテナンスを検討されている方は、ぜひ参考になさってくださいね。
基礎部分のメンテナンスは必要?劣化すると出る症状とは?
私たちが住む住宅の基礎は、ほとんどがコンクリートやモルタルでできています。コンクリートやモルタルは、雨などの水分を吸いこむと、それが原因でひび割れを発生させてしまいます。
そこでダメージに合わせて補修もしくは塗装でのメンテナンス!となるのですが、ここでの塗装の目的は、当然ながらコンクリートやモルタルを水分から守り、ひび割れを防ぐことです。
しかし、年数が経過して塗料の塗膜が劣化してしまうと、徐々に防水性は失われていきます。
こうした基礎部分のひび割れを防ぐためにも、塗装によるメンテナンスは非常に大切なことなのです。
冒頭でもご紹介させて頂いたように、基礎は安全に建物を使用するために重要なものです。
そのため、もしもひび割れなどの劣化の症状を発見したら、早急に対処した方が良いでしょう。
また、ひび割れ以外にも、劣化のサインは様々あります。
例えば、塗装の剥がれがあると、その箇所から侵入した水分が原因で基礎部分の割れが生じてしまうこと。
他にも塗料が劣化しているサインの1つに色褪せや白華現象(エフロ)が挙げられます。
気が付きにくいところではありますが、色褪せや白華現象(エフロ)を放置していると、段々と劣化が進んでしまう可能性もあるのです。
塗装の剥がれ、色褪せ、白華現象(エフロ)はいずれも経年劣化が原因であるため、どんなに気を付けていてもいずれは起こってしまう問題です。
しかし、こうした劣化症状を放置していると、いずれは基礎部分のひび割れなど、大きな問題に発展してしまいます。
基礎部分に劣化の症状を見つけたら、まずは専門業者に確認してもらい、必要があれば早急に塗装などのメンテナンスを行いましょう。
基礎部分の劣化を放置してもいいの?
塗装が劣化して防水性が失われてしまうと、そこから雨などの水分が侵入し、中の鉄筋をサビさせてしまうことがあります。そうなると基礎そのものにひび割れが発生してしまいます。
さらに、基礎部分にひび割れが発生してしまうと、そこから侵入した水分により床下に湿気が溜まり、結果としてカビを発生させてしまう原因にもなります。
カビが発生した場合は、ご自宅そのものの劣化が急速に進むだけではなく、カビによるアレルギーや健康被害などのトラブルに発展することもあるでしょう。
こうした床下のカビや、基礎部分のひび割れは、補修工事に相応の高い費用が発生してしまいます。
このように、基礎部分の塗装の劣化を放置すると、ご自宅の寿命を縮めてしまったり、工事にかかる負担を大きくしたり、良いことなど何もありません。
そのため、基礎部分にクラック等の劣化を見つけた場合や、10年以上メンテナンスをしていないという方、メンテナンスはしたけれど塗膜が剥がれたと言う症状がある場合は、メンテナンスを検討する時期を迎えていると思って良いでしょう。
基礎部分のメンテナンスはどうすればいいの?
基礎部分のメンテナンスを行う方法はいくつかありますが、一番簡単なのは専用の塗料で塗装を行うことです。まずは、高圧洗浄による汚れの除去を行い、その後に塗装の工程に進みます。
基礎部分の塗装を行う場合は、外壁や屋根で使用される塗料とは、同じものは使用できません。
基礎を塗装する際には、通気性や透湿性が必要だからです。
ですから塗装工事に使用するのは、基礎部分専用の塗料です!
基礎専用の塗料には、吸水を防ぎ湿気を通すものや、弾性が高くひび割れを防いでくれる働きをしてくれるものなど、商材によっても特徴があります。
基礎に適した通気性や透湿性はもちろんのこと、基礎を保護してくれる性能も付加されているため、ダメージに合わせた最適な選択をしたいですね。
基礎部分をメンテナンスするメリット
コンクリートのひび割れは、見た目ではなかなか分かりにくいものです。そのため、細いひび割れだからと言ってメンテナンスを怠っていると、いつの間にか大きな傷が入ってしまった、ということも多々あります。
こうしたリスクを回避するには、定期的に基礎部分をメンテナンスすることが大切です。
また、地面と接している基礎は雨の跳ね返りや湿気の影響を受けやすく、元々アルカリ性の性質を持つコンクリートは酸性雨の影響を受け中性化していきます。
すると基礎部分のコンクリートが脆くなり劣化が加速、結果として防水性が低下してしまいます。
それを防ぐための塗装とは言え、基礎部分に雨染みやひび割れがなくなれば建物外観の美観は格段にアップします。どんなにご自宅の外壁や屋根、付帯部をきれいにしていても、基礎が汚れていては築年数の経過を感じてしまうものです。
ご自宅を長期間きれいに保つという観点か考えても基礎部分のメンテナンスは重要なポイントと言えるでしょう。
まとめ
今回は、基礎部分のメンテナンスについて、ご紹介させて頂きました。基礎は、ご自宅の荷重を支える大切な存在です。なぜなら、この基礎が劣化によって水平バランスが狂うと建物が傾いてしまう原因にもなり得るからです。
そうなる前に、ひび割れはないか?色あせや白華現象(エフロ)は発生していないか?などを定期的に目視しておくと、適切にメンテナンスの時期を見極められるでしょう。
定期的なメンテナンスを行えば、基礎部分の劣化を確実に防ぐことができます。
基礎部分は、普段目にする機会が少ない地味な存在ではありますが、建物を構成する中でも1番大切な部分と言っても過言ではありません。
適切にメンテナンスして、建物の寿命を可能な限り延ばしましょう。
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